「かにみそ」

シゲ部で紹介されていた倉狩聡さんの「かにみそ」読みました。

かにみそ (単行本)

かにみそ (単行本)

表紙がとても可愛いのに中身はホラーなんですね。
人間を食べる蟹よりも、人を殺しておいてその死体を蟹は食べるかな?って冷静に考えたり、蟹に人が食べられる姿を見たがる主人公にこそ恐怖を感じました。蟹を拾ってきてその蟹を飼うために水槽の中の熱帯魚を庭にぶちまけるシーンがいちばん怖かったなぁ。。。
「生きることは食べること」実にシンプルなこと。蟹のほうが純粋で人間の方がよほど残酷な生き物なんじゃないかと思います。
描写がとにかく美しい。とくに食べるシーンはとてもエロティックでした。
これから蟹を食べるときふとこの作品思い出しちゃうんだろうなあ。

もう一つの作品「百合の火葬」も美しく丁寧に描いてて、次の作品も気になる作家さんです。