イガヌの雨
2/12発売の「野生時代」に加藤シゲアキ先生読みきり小説最新作が掲載されるそうです。
これで短編は通算5作目になるとか。
もうそんなに書いてるんだね。すごいなぁ。
さてさて先月出たシュシュアリスに掲載された短編「イガヌの雨」。
やっとこさ読みましたよ。
まさか買って読み忘れてたわけでは、、、まさか、ね、、、
せっかくのシゲアキ先生の小説。
丁寧に大切に読みたいなーって。
そう。
大切に…
大切に…
大切にしすぎて放置してました(やっぱり忘れてたんじゃないか!←
というわけで、感想です。
読んでて思い出したのが、昨年シゲアキさんが読んだという小説「かにみそ」。
あれもSFだったし、食べるシーンがとても印象的な作品でしたよね。
テーマでもあった「食」について考えさせられる内容でした。
咀嚼シーンや料理については、描写がとてもリアルで瑞々しく絵が浮かぶようでした。
物語のちょっと怖くて、ちょっとグロい感じが、私は好きです。
SFって言っていたのはこういうことだったんですね。
てっきり近未来(たしかに未来の話ではありますが)的なことだと思ってた。
イガヌが何かはこの場合関係ないんですよね。
イガヌのせいで、それまで当たり前だった食事が蔑ろにされる。
主人公の祖父の手紙の内容が素敵だと思いました。
私まではっ!とさせられました。
主人公はいったんはイガヌの虜になりイガヌを嫌う祖父に反発したが、その祖父の手紙で考えをあらため、祖父の葬式でイガヌを食べる両親親戚を軽蔑していたけど、ラストでイガヌに対して唾液が出てるところが生々しくていいなと思いました。
ラストの描き方が私は好きです。
短編小説ですがその中で、主人公の心の変化を上手く表現していてさすがだと思いました。
シゲアキさんの作品の振り幅はとても広いですね。
こういう話も書けるんだ。
「イガヌの雨」とても面白い作品でした。
個人的にはお葬式のシーンで皆が主人公に気を取られてる隙にイガヌを拾って食べてる僧侶に笑いました。
まるちゃんは「イガヌの雨」もう読んだかな?まるちゃんこういう話好きだと思うんだけど、どうかな??